サステナビリティ

TROAXのスチール製品は99%リサイクル可能です。製品ライフサイクルが終了しても、新たな鋼材として市場で再利用することができます。特に当社製品は組立て、解体、仕分けが容易な設計のため、リサイクルプロセスもスムーズかつ省エネルギーに行うことができます。また、その他多くの金属と同様、スチールはリサイクルによって性質が劣化することがありません。しかしながら、スチールそのものの価値の問題からリサイクルのプロセスはかなり複雑であり、リサイクル率は市場、産業、国によって大きく異なります。残念ながらこのプロセスはTROAXの管理の及ぶところではありませんが、当社では可能な限り製品のリサイクルおよび再利用を呼びかけております。なお、TROAX製品が100%リサイクル可能ではない理由は、パネルに標準カラーまたはカスタムカラーの塗装を施しているためです。

スチールはリサイクル可能な素材ですが、お客様が購入するスチール製品がすべてリサイクルスチール製とは限りません。当社としてはできる限りすべての製品をリサイクルスチール化することを目指していますが、現実はそう簡単ではありません。世界の鉄鋼マーケット（各国の主要製鉄会社等）のデータによれば、リサイクルスチールの供給量はあらゆる産業で鉄鋼消費量を下回っています。端的に言えば、需要が供給を大きく上回っているのが現状なのです。実際、2023年のTROAXグループのリサイクルスチール使用率（管・ワイヤー類）も53.6%にとどまっています。TROAXでは、2030年までに自社製品の製造に用いるリサイクルスチールまたは代替スチールの比率を80%に拡大することを目指しています。

スウェーデン本社が実施する製品設計プロジェクトでは、必ず環境分析を実施して重要度の高い環境項目を検証しています。この分析は事前検討や製品仕様策定を発展させたもので、素材選定から生産、物流に至るすべての工程を対象とし、必ず標準化された手法・プロトコルに従って行われます。分析により優れた環境特性が認められた項目には高得点が付与されます。得点が低かった項目については必ず重点事項として取り上げ、可能な限り改善措置を講じます。大切なのは、安全性とサステナビリティの最適なバランスを見つけることです。そして、最終的にTROAXが重視するのは人の安全です。

こうした分析と改良を経て、高い安全性と環境性を両立することができた製品もございます。例えば、TROAX製品中最高の強度を誇る防護安全柵システムの「スマートフィックス80×80ポスト」については、様々な試験と分析を経て、厚みを減らして構造を最適化するための設計変更を行いました。結果、スチール使用量を36%削減することに成功し、システム自体の機能性も向上。使用原料を大幅に減らしたにもかかわらず安全性も高めることができました。また軽量化されたことにより、輸送や設置作業の手間も軽減されています。TROAXは、より安全で、より環境に優しい製品開発に努めています。

特許を取得したTROAXの高層ポスト構築用連結器具「スマートスプライス」もその一例です。ポストを包み込むかたちの従来型延長ブラケットとは対照的に、ポストの内側に収まる構造となっているので、優れた連結強度だけでなく、すっきりとした外観も得られます。扱いやすく輸送・設置にかかる時間を短縮でき、見た目にも美しいソリューションとなっています。そして何より、1,600ジュールの衝撃に耐える強度を有しています。