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バージン材であれリサイクル材であれ、スチールの製造・使用は必ずCO2排出をともないます。従って、スチールの使用量を減らせばカーボン・フットプリントは削減できるのですが、現実はそう簡単にはいきません。求められているのはサステナビリティを取るか安全を取るかという二者択一論ではなく、それらのバランスを含めた「最適解」の追究です。このため当社では、製品のCO2排出量を算出してお客様にご提示しております。
安全と持続可能性を数値化する
お客様の安全を守りつつカーボン・フットプリントを削減すること。これは、スチール製メッシュパネルソリューションのグローバルリーダーとしてのTROAXの義務でもあります。当社では、そのために可能な限りリサイクルスチールの割合を高める取り組みを続けつつ、お客様により賢明な選択(お客様自身と環境にとって)をしていただくための情報提供にも努めております。具体的には、より大きな視点から製品を比較検討していただくために、安全性と持続可能性の両面を考慮して算出したCO2排出量データを提示させていただいております。
どのように?
確かな情報に基づくお客様の意思決定(informed decision)を助けるため、TROAXでは体系的な手法を用いて当社製品に紐付くCO2排出量を算出しています。具体的には、当社製品の年間総CO2換算排出量を算出して1年間に販売した製品の総重量で割り、これを重量に応じて各製品に割り当てるという方法で製品ごとの環境インパクトをお客様に明示しております。
なお、この計算方法では製品ライフサイクル終了後のリサイクルを考慮していません。TROAXには不要になった製品がどのように処分されているか感知するすべがなく、リサイクルプロセスも市場ごとに大きく異なるためです。このためTROAXでは、リサイクルしやすい製品づくりに取り組みの重点を置いています。実際、当社製パネルは99%リサイクル可能となっており、リサイクルできないのは塗装のみです。また、製品のライフサイクルをできるだけ長くするために再利用の呼びかけも行っています。
※スウェーデン国内の当社工場への搬入品の輸送、資本財、リース資産(排出カテゴリー3に該当するもの)は除外しております。
上記の方法では重量のウエイトが非常に大きくなっていますが、これは当社の総CO2排出量の92~94%が仕入れ鋼材から発生しているためです。一例として、堅牢仕様の80×80ポストは最大で8,180ジュールもの衝撃に耐えることができますが、CO2排出量の観点では60×40ポストの方が54%も優れているうえ、軽量仕様とはいえ2,100ジュールの耐衝撃性能を有しています。それほどの強度が必要でないケースであれば、重量差がもたらすこの違いを重視すべきでしょう。
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CO2を15%カット
ST20パネル(2050×1500)なら、ST30パネル(2050×1500)と比べてCO2排出量を15%カットできます。
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フットプリントを54%カット
80×80ポスト(2,200mm高)は、最大8,180ジュールの衝撃に耐えることができる堅牢仕様のポストです。一方、軽量仕様の60×40ポスト(2,200高)の耐衝撃性能は最大2,100ジュールですが、カーボン・フットプリントは小さくなります。重量差のある両製品の間では、CO2排出量において実に54%もの差が生まれます。