

ティンゲルから世界へ
TROAXの歴史は、スウェーデンのティンゲルという小さな村のニワトリ小屋から始まりました。4人の若者が、起業家としてTROAXを世界的企業へと押し上げる長い道のりを歩み始めたのは1955年のこと。創業から現在、そして未来へと続くTROAXの歴史をご紹介します。

グローバルリーダーの卵
その4人の若者の名はErik、Folke、Helge、Sven。彼らはAxelsson一家の四兄弟であり、生来みな楽天的な性格の持ち主でした。楽天主義は農家に欠かせない資質のひとつですが、第二次大戦後の当時にあっては特に重要な資質だったと言えるでしょう。当時のスウェーデンではほとんどの家が農業を営んでおり、その生活は厳しいものでした。しかしそんな状況であっても、この兄弟たちは、「人生で何か大きなことを成し遂げたい」という希望を胸に抱いたのでした。1955年、彼らは、後にティンゲルを飛び越えて大きく成長することになるビジネスの種をまきます。TROAXの前身である「Bolaget Axo Järn och Metall」の誕生です。彼らはニワトリ小屋を作業場に変えることで、夢を現実に変えたのです。

小さくはじめて大きく育てる
四兄弟は、1960年代中頃までには製品ラインを拡大して様々なスチール製品を取り扱うようになっていました。当初は台所用品や洗濯カゴなど、家庭のニーズに対応した実用性の高い日用品が主力製品でしたが、この頃になって、地下室や屋根裏などのスペースを区切って整理するためのカートやメッシュパーテーションの生産を開始。特にメッシュパーテーションはその機能性が高く評価され、現在のTROAXのコア製品ラインの原型となっています。この時点では幅広い製品ラインアップの製品セグメントのひとつに過ぎませんが、次第にその存在感を増し、後に安全・防護ソリューションを専門とするTROAXの事業を形成していくことになります。

TRO + AX = TROAX
Axelsson兄弟はストックホルムに拠点を置くLars Troedssonとの提携を開始し、1965年に販売会社としてTroaxを設立しました。この社名は、「Troedsson」と「Axelsson」の名前の一部を組み合わせたものす。なお、当社はその歴史を通じて次の7つの社名を名乗ってきました。
1955年:Axo Järn och Metall
1964年:Axo Metall AB
1965年:Troax Försäljnings AB
1983年:Troax Axo AB
1997年:Gunnebo Troax AB
2011年:Troax AB
2015年:Troax ABおよびTroax Group AB

倉庫設備事業における成功
スウェーデンのスモーランド地方は特に勤勉さや独創性、起業家精神に富んだ気性で知られています。電動ノコギリやフラットパック家具など、スモーランド地方生まれの製品は世界中に広く流通していますが、倉庫内パーテーションもまた、スモーランド地方が世界に誇る製品のひとつに数えることができるでしょう。1970年代初頭、Troaxはより大きな市場を求めてスカンジナビア地方に進出し、倉庫・ガレージ製品というまったく新しい製品ラインとともに次の一歩を踏み出しました。

2つが1つに
Troaxの事業拡大にともない、より系統立った組織運営の必要性が顕著になっていきました。そこで業務を合理化するために、Troaxは生産部門と販売部門を統合してTroax Axoとして一本化。さらに1983年にはGnosjö-Börsen ABがTroax ABを買収したことで、業界におけるTroaxの地位と能力はさらに強固なものになっていきます。

機械防護安全柵の誕生
1990年代、製造業、特に自動車産業では、生産の自動化が更に進み始めたため、最新の機械防護安全柵の必要性が著しく高まっていきます。Troaxはその先導役となり、産業安全の全く新しいレベルとなる基礎を築きました。

GUNNEBOとTROAX
1994年から2010年にかけては、現金取扱業務や金庫、アクセス管理、総合セキュリティの分野で世界的な安全製品サプライヤーとなったGunneboグループの傘下に入り、1997年には社名をGunnebo Troax ABに変更しました。しかし2010年にGunneboが新戦略の一環としてTroaxの持ち株を整理して以降は、現在に至るまでTROAXとして営業しております。

農場から証券取引所へ
2015年、TROAXは戦略上の重要な一歩として、ナスダック・ストックホルム証券取引所への上場を果たします。TROAXはこのときまでにエリア防護ソリューションのグローバルリーダーとしての地位を固めており、その市場ポジションをさらに強固にする目処が十分に立ったからこその上場判断でした。この結果、広く世界中のお客様の期待に応え、さらにそれを上回るソリューションを提供する機会を得ることができています。TROAXは現在、日本を含む6大陸45ヶ国に拠点を有しています。これ以降のTROAXの実績はご存じの通りです。